選抜句

 

北比良の白峰そびえ波声に

 

桜から灰降る街を酔い歩き

 

ツバメおり陽がしずむ幣舞橋や

 

菜の花が見える車窓に春を知る

 

花を待つ雨を聴きつつ夏想う

  

北向きの窓に漏れ入る春の日よ

 

桜の下ちょこんとオオイヌノフグリ

 

春の名は雑草ノオトめくり知る

 

ゲド想う畦のカラスノエンドウに

 

病みあがり日向ぼっこにオギョウ摘む

 

すみれ咲く疎水のコンクリートの隙

 

坂道のむこう山中ただひとつ桜が咲いている満開に 

 

どん底にやさしく乾いた眼差しよこれが愛だよカウリスマキよ

 

日が暮れて川面さざめく橋げたに列車轟く絶えることなく

 

遠いものとつながるために撮る女箱庭にして好きに書く男