俳句と連歌

更新。

 

0327

桜の下ちょこんとオオイヌノフグリ

 

0328

遠いものとつながるために撮る女

 箱庭にして好きに書く男

 

0329

旅前に増えたハコがなくなって

 旅出たハコで見る下コント

 

0330

桜散る田舎寺そこは海石榴市

 ただの広場に古代エキゾチズム

 

0331

春の名は雑草ノオトめくり知る

 

0401

ゲド想う畦のカラスノエンドウに

 

0402

病みあがり日向ぼっこにオギョウ摘む

 

0403

すみれ咲く疎水のコンクリートの隙

 

0404

草の名を知り虫の名も知りたくて

 あの鳥に食われる魚の名も

 

0405

坂道のむこう山中ただひとつ桜が咲いている満開に

 

少し、わかってきた。俳句は、素描だ。

日々出会う風景や、心象を、言葉に、素描する。

その練習だ。

ものを書くための、素振りだ。

これはこれで必要な取り組みだ。

しかし、3年前のどくんご旅連歌と比較すると、ちんまりしている。

旅の体感×言葉が自律して展開していく妄想

これはこれで必要な取り組みだ。

事実をよりスケールの大きなものに展開していくトレーニング。

想像力の、素振り。

これはこれで、やっていこうかな。

 

三年前の旅連歌をどぞ。

上のと比較して。

 

吹きぬける 風に波打つ 碧の田

蒸気かき分け 自転車駆ける

金色の 木々の煌き 双子山

雲くっきりと 鯨燻らす

計画は ケミカル模様 蹴り上げる

コカ・コーラの瓶 転ぶ虚無僧

五月雨を 逆さにみたら さしすせそ

真下の空に 四月が笑う

山月に 棚引く雲や 虎の声

南洋赴く 汽船の煙

カロリンの ヤップから来た 女の子

家族を想い 北へ旅立つ

砂浜に 干された海鼠よ 白昼夢

丸木舟乗り ウォレス線跨ぐ

擦れ違う あの娘の名前は ゴンドワナ

気圏の上層 また逢いましょう

そう言って 東に消えた 小惑星

微かに聴こえた 白亜の断崖

島々の 数だけ地史を 足下に

空駆け抜ける 瀬戸の大橋

台風に テントで蟋蟀 雨宿り

廃材天国 開演間近

松山に 向かうトラック 11号

すれ違う雲 すれ違う遍路

天高く 旅も肥ゆる 城の下

昼は秋の香 夜は冬の香

山越えて 山また山よ 土佐街道

幾つの細道 此処にも人住む

鶏が 志士の住居 知らせたり

日曜市の 雑踏の隙

蛇の道や 大歩危小歩危 蟹歩き

吉野渓流 四国大動脈

暮れなずむ うだつの町に 靄降りて

まれびと歓待 柔らかな瞳

そそり立つ 山の上にも 人家あり

夜は一番 近い星かも

際際に 隘路を自動車 煙草谷

上から下へ 雨乞い踊り

渓谷を だいだら法師が 渡り行く

Abby Roadの 彼らのように

鉄塔は 山のあなたの 空とおく

風車連なる 佐田の岬よ

吹きすさぶ 波濤に消えた 夏帽子

豊後水道 八幡の翳

霜月に 平家の落人 魚返す

頭蓋の平野 阿蘇に降る雪