逃げ恥

久しぶりに連続ドラマなるものを見ている。

「逃げるは恥だが役に立つ」

 

もう、おもしろい。

たまたま実家帰ってたときに第二話から最新話までを見てしまい、京都帰ったら見られんやんけとつぶやいたら最新話はネットで無料配信されているよとの情報をいただき、その後も見ている。

もう、おもしろい。

脚本が本当に上手いな凄いなーとか、キャスティングめちゃくちゃはまってるなーとか、細かい演出が気が利いているなーとか、思ってみてたけど、今週は、もうそういうことじゃなくなくなった。

情緒を完全にコントロールされてしまいました。

それゆえか見たあと記憶で振り返って展開が思い出せないところがあり見直した。

 

見直してみて気づいたことたち。ネタバレだらけだよ。

思い出せなかったのは「二度目のキス」にどうやって至ったか。

 

まず、これは一度目から思っていたのだけど、

旅の終わりの「一度目のキス」のあと空気が気まずくなって、その気まずさを解消するために「一月前に過ぎた誕生日」のエピソードが出てくる。迷った末にお金をあげるという一見最悪に思える答えを出しながら、それが結果、話を前に進める(気まずさを解消する)エピソードになっている。

 

で、結局なんで「二度目のキス」をしたのか見たところ。

見返すと、なんのことない、後輩が実は帰国子女だったというゆりちゃん家での話から何事にも感謝と敬意が必要という話になり、帰宅して貰ったワインを飲みながら感謝と敬意を伝えてあらためて近頃にあった想いを伝えようとしたところ言葉にならずに…というものだった。台詞とか展開は特になかったと言っていい。つまり、そこに至るまでに、必要なものは準備されていて、なんてことない話題から、至るべくして到る。

そのために、この回で重要な役割を果たしているのが、月の満ち欠け。二人のあいだに重なる、言葉にならない思いの満ち欠け、時間の積み重なりが、たびたび挟まる月の経過とともに描かれる。

その場面に到るまでの時間の重なりを丁寧かつ簡潔に積み重ねていくことで、本当の重要なシーンも、余計な説明とか感傷抜きに、シンプルにそこに到る。うまい。うまい。

 

それで、これも一度目から、思ったんだけど、

その後のみくりちゃんの「いいですよ、ひらまささんとなら、そういうことしても」という台詞、これ、早すぎだろーと思ってしまうのだけど、故に、ドラマの展開としては、やっぱり上手い。一個の終着と次のスタートがひとつのシーンの中にある。つい、ここは一晩経過させちゃいたくなるところだけど、それをしない。

飛躍のさせ方。

時間を的確に重ねることで説明の台詞や面倒なやりとりを極力消す。

順列に描きすぎない。突拍子もない飛躍を混ぜることで、展開に緩急をつける。

ロマンチックラブコメとは、こういうことか。もう、うまい。うまい。うまい。

情緒を完全にコントロールされてしまいました。すごいなー。

 

勉強になります。精進します。