野良とキッズミュージカル

出水にきてちょうど1ヶ月がたった。

2月11日、劇団どくんごの群馬の受入れをやってくださっている、ダンス批評家で群馬女子大学の准教授の、武藤大祐さんが主催者のひとりである、「野良」という企画を博多までメンバー一同で見に行ってきた。
http://nora211.blogspot.jp/search/label/HOME%EF%BD%9C

2月15日、つまり今日は、どくんごの鳥栖の受入れをしてくださってる方が主催者のひとりである、鳥栖キッズミュージカルを、佐賀県は鳥栖市まで見に行ってきた。

とてもとてもびっくり感動してしまったり考えさせられたり心がいろいろ動いた。

野良は「飼い馴らされない表現のフェスティバル」と銘打たれている通り、みんなで雑巾がけをしながら労働歌をつくってみたり、河原で拾ってきた石を鍋にいれてそれをおかずにご飯を食べてみたり、都知事選で原発推進派をほめご…いや大絶賛キャンペーンをしてきた某革命家の報告を伺ったり、日本各地の珍しい祭りの映像を見ながら解説を聞いて笑ったり、韓国から来た振付家が本国の友人とスカイプをしながら最近習い始めたフラメンコやベリーダンスを手掛かりにユーラシアの舞踊史について想像する様子を見聞きしたり、笑ったり、感心したり、食べたり、飲んだりしながら、ゆるゆると、長い時間かけて、その場にいる人たちに「野良」的なものが充満していく、豊かなイベントだった。
武藤さんという人は、去年、どくんごの神戸公演のときに紹介してもらって知り合って、その後、ツイッターとかを見ながら、その活動の幅広さや、精力的で面白いことを考え行動してるんだなーとか、でも京都エクスペリメントに来てたりとか、岸井大輔さんとも近しい関係であるとか、自分の興味のあるところや近しい人とも随分と広く接点のある方なんだなーと、一方的に拝見させてもらっていて、今年、僕がどくんごに参加することになり、ちらほらと、ネット上で会話していたところ、イベントの直前に、実は、同じ高校の出身だったということがわかり、とてもびっくりした。
千葉の柏の高校で、大学は京都で、演劇も京都でずっとやっていたので、母校の人に同じフィールドで会う事は今までなかったのもあった。聞くと、ダンスや演劇で、同じ高校出身で、一線で活躍してる人がかなりいることがわかり、しかもそのうちの何人かは在学までかぶってたり、実は同級生で演劇やってる人が関東には何人かいることがわかり、とてもとてもびっくりした。
こんなことでも、とてもうれしいく思ったり勇気づけられてることや、あの高校での時間や体感って、いまの自分の行動や動機に深く根をおろしてるんだなーと改めて気づかされたり、考えさせられた。
京都に来て、演劇を始めて、そのことを通して知った、演劇の面白さだったり、人間の面白さだったり、文学の面白さだったり、世界の面白さ・厚み、というのが圧倒的にまずあって、そこに魅せられ、それを一心不乱に追っかけてきた部分というのがあり、
高校時代は、本当に、楽しかったんだけど、それは、なんというか、あまりにも特権的に面白かったというか、その中でも自分はさらに特権的に楽しんでいたクチなので、それを人に説明するのが難しいし、そういうことを、ほかでやろうとか、あまり思わなかったというか、あれはあれ、本当に特別なもの、ということで、自分の中では距離をとろうとしてきた部分がたぶんあった。
京都に来てだいぶたってから、吉田寮で出会った楽しさとか、少し距離はあるけれど精華大の人たちと付き合ってると感じる楽しさとかに、少し似ているかもしれない。
そんときに思ったことは、たぶん、自分が大学でストレートに吉田寮と出会ったり、精華に入ったりしてたら、あまりにそのことが楽しすぎて、演劇をここまで頑張られなかったし今きづけた面白さとかに気づけなかったんじゃないか、だからストレートじゃなく迂回して出会えてよかったなー、みたいな感じ。
なんかだから一生分の楽しさを経験させてもらったけど、それはそれ、みたいなところがどこかあったような気がして。
しかし、そうでもないのかも。接続させられるのかも。
というか、そうしてきたのかも。
と、気づかされたり、発見したりした、ということかしら。
不思議に広がった繋がりで、今年、旅で実際にその人たちと出会えたら本当に素敵だなーと今から思っている。
先月からフェイスブックを始めて、びっくりするほどに高校の友達の動向が知れたり、その旅の中で、我孫子公演も東京公演もあるので、きっと久しぶりに出会える人も多いだろうなーとか、何かまた新しい一歩の予感に燃えつつ背筋が伸びてきた、という話でありました。以上、野良に絡んでも色々思ったこと。

そして、今日、鳥栖に、キッズミュージカルを見に行った。
http://kmtosu.jp/

10年前から鳥栖で、毎年、行われている事業らしいのだけど、前々からちらちらと噂を漏れ聞いていたのだけど、本当に、もう、とんでもないクオリティで、超びっくり、めちゃくちゃ感動してしまった。
歌すげー、ダンスすげー、劇もとてもいい、泣かせる。泣いてしまう。
なんでこんなこと出来てるの??というレベル。
超クオリティの高いミュージカルを、子供たちが、やっている。
企画のアナログ感、手作り感を、消さずに、それができている。
まあ、そういうことなのだけど。
ほんと、不思議だなー。なんでこんなことがおこっているのだろう。
京都とか別のところ住んでても、この時期は鳥栖にこれ見に行こうかな、とか、これがあるなら鳥栖に住むのも悪くないな、とか、思う。
行きの車の中で、話の流れから、高田渡や西岡恭蔵の歌をyoutubeで聞いていて、自分が関西に住みつづける、住んでてもいいなーと思う理由のひとつに、春一番コンサートが毎年あるから、ってあるよなーと思っていた。
行く年と行けない年があって、でも行くと、あそこの空気やあそこの時間はやっぱりあって、誰がなんと言おうと、これは自分にとっての圧倒的な正解のひとつなんだよなーと、行くたびに思う。
今日の鳥栖も、それくらいディープな体験だった。

そして、とてもとてもおこがましいけど、ベビー・ピーがあるから京都に住みつづけようって思えるような芝居を作りつづけていくってこと、出来るよなーと思ったりもした。そういうものを目指して活動していくこと。できる。

今年、旅をする。でも、全部、つながっている。
うまく言葉にして、つなげていけるといいなと思っている。
素敵な出会いをありがとうございました。
広がっていきますように。つながっていきますように。

さ、台本かくぞ。稽古すっぞ。